理事長あいさつ
急速な高齢化が進む中、介護の業界では良質なケアを施すために試行錯誤が繰り返されています。しかし、爪のケアにおいてはどうでしょう?爪は人命がある限りどんな状況でも伸び続けるので、一見ではわずかにトラブルがある爪をすぐに処置せず数か月放置することで、手がつけられないくらいの状態になることもあります。
高齢者は特に視力の低下や身体の柔軟性の低下などにより、足の爪切りに困っている方も多いのですが、介護者が代わりにケアしたい気持ちとは裏腹にどうやったらいいのか悩むほど爪の状態が悪い方が多いことも事実です。問題の多い足を例に挙げるならば、爪が刺さったり思わぬところから裂けたり、わずかな痛みでさえ歩行への影響が生じるはずなのに、高齢になるとその痛みや違和感も鈍くなります。「痛くない」「何ともない」その言葉を鵜呑みにした介護は、自分の足で歩き続ける意欲を損なわせてしまうことに繋がりかねません。
今、自分たちが行っていることがそのまま子ども達に引き継がれ、爪すらまともにケアしてもらえないままでいいのでしょうか?技術や知識を備え、実践することで向上し、爪ケア以外にも見て見ぬフリをしないことで人間力を高める。爪ケアに関わる者は互いに学び、成長し合う関係でありたいと想い、この協会を立ち上げました。
特定非営利活動法人 日本爪ケア普及協会
理事長
松本 めぐみ